今回もErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツを水洗いクリーニングで
きれい!スッキリ!爽快に!していきたいと思います!
が!今回は、いつもとちょっと違います。
よくイタリアブランドのErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツって言いますけど、
一番よく見かけるのは、生地はErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)の生地を使用して、
仕立てやデザインは、他のブランドや縫製工場、テーラーさんが仕立てると言うオーダースーツやブランドスーツかと思います。
しかし!今回は仕立てもデザインもイタリアのErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)製という、
Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)直営店で購入された、
made in イタリアのErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツになります。
生地もスーパー140’Sの極細繊維を使用した高級ウール生地でして、
ズボンのシルエットもデニムのシルエットを意識した裁断になっていまして、
ちょっと。。。。難しいシルエットのErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツになります。
でもまあ~そこはそれ!メンズテーラード技術を勉強している当店ですので、
新品よりもきれいな状態に持っていけるようにがんばってみたいと思います。
それでは、いつもように水洗いクリーニングでイタリア製のErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツを
きれい!サッパリ!爽快に!していきましょう!
まずは、カルテの作成からおこないます。
シミや汚れをチェックして、
ポケットや縫い代の裏側のホコリを除去していきます。
そして、Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツの状態やシルエットを把握しておきます。
今回のErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツには、マニカカミーチャ(雨降らし袖)といって、
袖の肩山のところにシワをワザと作って、古着感というか、使い古した感というか、体に馴染んだ感といったような感じを出してあります。
マニカカミーチャ(雨降らし袖)というとイタリアのKITON(キートン)と言う高級ブランドが有名でして、
以前雑誌で拝見しましたが、KITON(キートン)さんも今でこそイタリアを代表する高級ブランドとして認知されていますが、
25年ほど前では、日本では、ま~ったく売れなかったそうでして、
百貨店の責任者さんなどから、「こんな古着みたいなスーツ!売れるわけ無いじゃないか!」って、どやされていたそうです。
雨降らし袖のマニカカミーチャのシワも「何で!こんな所にシワができているんだ!」
「こんなスーツ!着れるか!」くらいに言われたそうです。
そんな風にコテンパンに言われていたイタリアのKITON(キートン)が、
今や!イタリアを代表する高級ブランドですからね~!
まあ~日本人の体型も欧米人のように足も長くなっていますし、
時代が変化しているんですね~。
まあ~でも、周りを見回しても昔のような箱型のボックスのようなスーツを着ている人なんて、ま~見ませんからね~!
イタリアタイプのサルトリアラインばっかりですからね。
現代のスーツ感から言えば、キートン(KITON)は、まさにイタリアを代表するブランドですね。
おお~っと!もちろん!Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)もイタリアを代表するブランドに間違いありませんね!
話が横道にそれてしまいましたので、水洗いクリーニングに戻しましょう。
スーツの状態をチェックしましたら、各部の寸法を測っておきます。
前丈、肩幅、袖丈、下袖丈、着丈、中胴半寸、ウエスト、ズボン総丈、股下、ワタリ幅、ひざ幅、すそ幅と測っておきます。
この設計図が無いと何も出来ませんので、しっかりと採寸しておきます。
次に型崩れ防止の為に仕付け糸を打っていきます。
極細繊維を使用したスーパー140’Sの高級ウール生地になりますので、
生地を傷めないように、やさしく、丁寧に仕付け糸を打っていきます。
ボタンホール、腰ポケット、胸ポケット、胸ダーツ、脇ダーツ、肩パット、垂れ綿、袖縫い代と打っていきます。
準備ができましたら、まずは前処理をおこないます。
シミになっている箇所や汚れが気になる部分を前もって処理しておきます。
一般の方は、洗濯機に入れて!スイッチオン!できれいになると思っていると思いますけど、
現実は、そうも上手くいきません。
面倒くさくても、コツコツ、コツコツ処理していかないと、や~っぱり!きれいにはなりませんからね~!
シミ抜きと前処理が終わりましたら、次はドライクリーニングをおこないます。
このドライクリーニング行程では、油性汚れを除去していきます。
イタリア製のErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツを傷めないように、
厚手の弾力ネットに入れまして、やさしく、やさしくドライクリーニングをおこないます。
乾燥は、ハンガー乾燥で熱乾燥していきます。
乾燥しましたら、次は水洗いクリーニングです。
お客様が大切にしているErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツを
水洗いでジャブ!ジャブ!クリーニングするのですから、
とてもじゃないけど機械任せにはできません!
直営店で買えば、ん十万するErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツですからね~、
恐ろしくて。。。。。。
できませんね~機械任せではね~。
安心して任せられる私自身の手で、やさしく、やさしく、水洗いクリーニングをおこないます。
洗浄、すすぎ、トリートメントを処理しまして、やさしく脱水をします。
乾燥は、もちろん!ハンガー乾燥で自然乾燥をさせます。
水洗いクリーニングを終えたばかりのErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツは、こんな感じになっています。
どうですか~?水で洗った!って感じがするかと思いますけど、
大きな型崩れも無く、良い感じになっていますよね~!
たまにクリーニング屋さんの宣伝で、水洗いクリーニングをしたスーツの状態を見ますけど、
中には、超~クチャクチャな状態になっているスーツを、
機械に着せてブワー!と蒸気で吹かして伸ばして、
どうだ!シワも無く、元に戻ったぞ!って見かけますけど。
水洗いクリーニングをしたからといって、クチャクチャな状態にしていい訳ではありませんから、
型崩れが無い状態で水洗いクリーニングをするのが一番ですので、
がんばって!勉強しましょうね!
今回のイタリア製のErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツには、
水洗いクリーニングにおいて、と~っても悪さをする裏地のレーヨンが使われています。
ま~たイタリアブランドの使用するレーヨン裏地は、何かと悪さをしますので、
取り扱いには、注意と経験と知恵が必要になります。
こればかりは、説明しても分からないと思いますので、経験するしかありません。
そんな悪さをするレーヨン裏地を使用したイタリア製スーツの
Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツが乾燥しましたら、まずは寸法のチェックです。
乾燥時の状態を把握するために寸法をチェックします。
そして、状態を頭に入れた上でアイロンプレスに取り掛かります。
メンズテーラードに取り入れられている「くせ取り」「追い込み」「いせ込み」のアイロン技術を駆使して、アイロンプレスをおこないます。
水に入れることで素の状態に戻ってしまったシルエットを復元するように、
重たい電蒸アイロンで、コテ布を当てて、霧吹きで霧を打ち、
1・2・3・4とゆっくり、ゆっくり熱を伝えるように、熱可塑性を利用して、アイロンプレスを施します。
全ての部分が水に濡れてしまったので、全ての部分にアイロンの熱を伝えます。
スーツ1着に掛かるアイロンプレス時間は、
なな!何と!3時間30分強!の真剣勝負!
ましてや、今回のような極細繊維を使用したイタリアブランドのErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツだったりしますと、
一通りアイロンでプレスをしても、
1時間後に再度チェックをして修正のアイロンプレス、
2時間後にまたまたチェックをして修正アイロンプレス、
翌日、またまたチェックをして修正のアイロンプレスと、
シルエットが落ち着くまでに2日から3日ほど掛かってしまいます。
同業者のほかのクリーニング屋さんからすれば、「そんな儲からない事やって!どうするの?」って言われてしまいますが、
ダメですよね~、自分が納得できないと納まらないんですから~ね~。
ましてや、お客様の想いの詰まったスーツを目の当たりすると・・・・・・・
がんばっちゃうんですよね~。
まあ、忙しい時期ですと、私も厳しい。。。んですけど、
まあ、小さな個人店ですから。
コツコツがんばりますわ!
さて、そんなこんなで、コツコツ、コツコツ丁寧にアイロンでプレスをしたイタリア製のErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツは、こんな感じになりました。
いいですよね~~~!
地の目も真っすぐ通っていて、
シルエットもきれいに復元されていて、
まさに新品のようにきれいなErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツになりました。
ラペルの返りも滑らかで、
ギューっとアイロンで押し付けたような安物スーツとは、まったく違うラペルロールで、
まさにブランドスーツ!Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)!って感じになっています。
そう!そう!それから今回のErmenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)のスーツのズボンなんですが、
先に書いたようにシルエットがデニムのシルエットのようになっているので、
通常のアイロンプレスのようにクリース(線)を付けることが出来ないんですよね。
特に後ろ側がそうなんですけど、写真を見ると分かるように、
通常は縫い代を合わせて、そのまま線になる部分をスーっと押さえてクリース(線)付ければいいんですが。
普通のやり方でアイロンプレスをしてクリース(線)をつけると、極端に地の目が切れた状態で線(クリース)が付いてしまい、
何とも、かっこ悪い(泣。。。。。ズボンになってしまいます。
その為、今回のようなデニムのシルエットを使用したズボンには、地の目を通すようにアイロンでクリース(線)を付けてあげると、
こ~んな感じのズボンのクリース(線)になります。
どうです?クリース(線)が地の目に真っすぐ入っていて、
良い感じで!かっこいい!ですよね。
通常のズボンのクリース(線)ですと、
ヒザの少し上から内側に向かってクリース(線)が入るようになるのですが。
今回は地の目に沿ってクリース(線)をつけましたので、
とっても!GOOD!な感じです。
ただ一つ注意点と言うか問題点が・・・・・
このズボンを他のクリーニング店に出してしまうと、
まず!間違いなくクリース(線)が二重になって返ってきてしまうので、
イタリアブランドのズボンをよく勉強しているクリーニング店に出すようにしてくださいね。
「そんなクリーニング店、中々見つからない!」と言う方は、
是非!当店まで!
お待ちしております。
あなたの大切な衣類のクリーニングやシミ抜きなどに困っていたら、
こちらまで→ tetuya6181@po2.across.or.jp
それでは、また・・・・・